パッシブ技術研究会とは、パッシブ換気の温暖地・蒸暑地への普及を目指し、関東以西(関東から九州)において現実的で自然の力を上手く取り入れた住宅づくりを目指しています。

インフォメーション-パッシブ技術研究会

8月勉強会

2020年10月 5日

さる8月3日、こちらもやはりZOOM開催にて8月勉強会を開催致しました。今回はオープンセミナーとあって日頃パッシブ換気に興味いただいている一般の方の参加も多数頂き盛会となりました。

第一部は北海道科学大学の福島先生より、パッシブ換気最前線「パッシブ換気を用いた全館空調の実績例と既存住宅への改修への取り組み」と題した講演です。

まず、基本的に換気は、寒さや気流感といった不快感や音の問題等、不快なものであり、換気をすることで空気環境は良くなるが決して快適性が向上するわけではない。だからなるべく不快にならないようにしなければならない。そして換気は「サイレントキラー」でありすぐに結果が出るわけではないが長い期間をかけ確実に健康に影響を及ぼす可能性が高いことから、換気が止まらないようにメンテナンスを行うことがもっとも重要なこと話され、パッシブ換気においてはそのメンテナンス負担が非常に軽いが実際にどうなのかの実態調査を、昨年北海道のパッシブシステム研究会で行った結果の報告がありました。床下や給気管、排気ダクトそれぞれの汚れ具合についてほぼ問題ないことが確認されたとのことでした。また、夏の基礎断熱の床下のカビについて、特に初年度はコンクリートの発湿等の影響で湿気対策が必要になるが、東京の事例でソーラーウォーマーの効果でより乾燥状態がキープ出来ていたことについても報告がありました。

第二部では山本亜耕建築設計事務所 山本先生より「"札幌発"実践パッシブ換気~10年間の実践を通して見えてきたこと~」と題し、今まで聞いたことがなかった秘話をお話しいただきました。パッシブ換気に取り組んでから現在へ至るまでの赤裸々な失敗例や改良・改善の歴史について、とても貴重で参考になるお話を頂きました。