さる6月14日、令和元年のパッシブ技術研究会総会&勉強会が開催されました。2018年度の決算及び2019年の事業計画が承認され第7期が無事スタートしました。パッシブ換気の取り組みもかなり進み、現在では年間50棟/年以上もパッシブ換気住宅が供給されており、10周年には100棟/年も視野に入って来ると思われます。
本年度より北海道大学の准教授 菊田先生にも顧問に加わって頂き運営委員も2名程強化されますます会の活動も活発になっていきます。
基調講演では高知工科大学の田島先生より「わかっているつもりの換気その2 田島先生による解説」と題し、本年度の建築技術1月号を監修され、2月勉強会で講演頂いた南先生とは違い研究者の立場で解説いただきました。
建築環境工学の使命は「快適な室内環境を最小のエネルギー利用で達成する」事であり、換気の観点から解説すると、前者は汚染物質が少なく温冷熱感覚上の不快感をなくす事、後者は換気システムの稼働電力が少なく冷暖房エネルギーが少なくする事が目的となります。
実務的な課題は、「計画設計」と「施工」と「運用」の3つに分かれるがパッシブ換気は運用については最強であると評価できるお話いただきまうsますパッシブ換気の有利性の再確認となりました。
実は夏においてソーラーウォーマーが、熱があることで除湿が進むため快適性の向上に大きな意味があると解説いただきました。
北海道大学の菊田先生からは「北海道における超高性能住宅南幌プロジェクトの解析」と題した講演をいただきました。菊田先生は南幌プロジェクトを全棟測定されていて、プロジェクト概要の説明、測定の中で気づいた点として床下の環境に注意が必要であること、それから詳細測定を行ったINSIDE-OUTについて、デマンド換気に床下へ排気を行うことで排熱の再利用とデマンド効果があったこと、壁温水暖房へのチャレンジやソーラーウォーマーの屋根利用で集熱効率の倍増が出来たこと等多くの事例について報告いただきました。
最後に住宅評論家の南先生にもご参加いただき、HEAT20等様々な水準が出揃ってきた中、これからは誰かが決めた基準ではなく、それらを活用して断熱のMY基準を作った方がいいのではと新しい提案のお話をいただき多くの学びとなる勉強会になりました。