パッシブ技術研究会とは、パッシブ換気の温暖地・蒸暑地への普及を目指し、関東以西(関東から九州)において現実的で自然の力を上手く取り入れた住宅づくりを目指しています。

インフォメーション-パッシブ技術研究会

2月北海道特別視察

2016年3月14日

今回、北海道の大合宿参加後に、パッシブ技術研究会メンバーで特別視察を行いました。

まず、25日の大合宿の後、株式会社キムラさんの建材展の見学です。キムラさんは北海道でも工務店さんへの支援や新しいものへの取り組みなど、普通の建材展より意識が高い会社なので、毎年2月に開催されるフェアには定評がありそこへの見学へ行ってきました。

その後、札幌聖ミカエル教会を見学です。駅から少し距離があったのですが歩こうということした途端、猛吹雪で着くまでには雪まみれに^^;。ようやくついた教会ですが、開いていません。てっきりいつでも見れるのかと思いアポを入れそびれていたのですが、運良く他の団体の見学の予定があったようで中を見ることが出来ました。

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こちらはアントニン・レーモンド氏の設計です。木造モダニズム建築の傑作と評されとても美しい建築でした。ステンドグラスの代わりに和紙を重ね貼した窓もとても建物と調和した良いデザインになっていました。

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その後はホテルにチェックインして明日の見学予定の札幌の建築家でパッシブ換気と300㎜断熱の山本亜耕先生と懇親会をしました。少人数で山本先生を独占し明日の見学会に胸を膨らませ楽しい札幌ナイトをすごせました。

翌日の26日は、まず旧荒谷邸の見学です。この荒谷先生とは、北大の名誉教授で、30年以上前にこのパッシブ住宅を自宅として建築された方で、昨今の温熱の基礎を作ったといっても過言ではない大先生の事です。現在は愛弟子のタギさんが譲り受けて、見学希望者があればタギさん自ら案内頂けて、本当にありがたいです。

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30年も前にペアガラスを自作し、24cmの外断熱やブロックによる蓄熱、植物や玄関での雪の蒸発に寄る加湿、空気の流れる仕組み(欄間)など、本当に奥が深く今でも十分通用する高い性能を持った住宅に、みんな驚きと尊敬の念をもって話を聞き入っていました。

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その後山本先生と合流し、平和の家と澄川の家を続けて見学させていただきました。

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300㎜という超断熱とパッシブ換気が創りだす空間や生産者と共に作り上げるディテールや材料の工夫など、こちらも食い入るように皆さん知識の吸収をすることができました。

最後は旧小熊邸でコーヒータイム!!。実はこちらも歴史的な建造物で、フランク・ロイド・ライト→レーモンドの流れをくむ田上義也という北海道を代表する建築家が設計した建物です。作風にFLライトの影響を強く感じさせる住宅で田上の代表作だそうです。そんな悠久の時を感じながらんのむコーヒーは格別で、大変よい視察ツアーを締めくくることが出来ました。

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 PS、パッシブシステム研究会では元々ライトの設計した明日館で勉強会の開催をすることが多いのですが、今回もライトづくしの視察となりました。ライトに縁がある研究会として嬉しい視察をすることが出来ました。