パッシブ技術研究会とは、パッシブ換気の温暖地・蒸暑地への普及を目指し、関東以西(関東から九州)において現実的で自然の力を上手く取り入れた住宅づくりを目指しています。

インフォメーション-パッシブ技術研究会

12月勉強会報告

2016年2月 8日

去る2015年12月18日に本年度3回目となる勉強会を、いつもの池袋明日館にて開催しました。

第一部は「超高性能パッシブ換気住宅の最新動向とパッシブ換気設計ツールの解説」
として北海道大学 助教 菊田弘輝先生の講演です。

北海道ではパッシブ換気はもちろんの事、住宅の温熱環境に関する研究の取り組みが豊富で、当会としても色々相談させていただく心強いアドバイザーです。

まず最初に、世界的にもゼロエ化(建物単体で使うエネルギーより創るエネルギーが多い建物)が進んでおりその最近の様々な建築事例や海外視察の事例について報告を頂きました。続いて超高性能パッシブ換気住宅の実測の紹介で太陽熱集熱装置の補助暖房としての効果や室内空気環境の改善効果などについて説明がありました。次は住まい手のアンケート調査からとても興味深い分析結果の発表で、夏期における快適性の分類に、「快適」と「不快」の間に「不快でない」という感じ方があり、その境界と要因について把握した結果を講演いただきました。最後は現在北海道のパッシブシステム研究会で開発中のパッシブ換気数値解析ソフトについて説明いただき、まだ色々使用して改良が必要であるが、様々な検証が可能になり今後のパッシブ換気の普及に大いに貢献してくれることでしょう。

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第二部 はメンバーでもあるリビングデザインセンターOZONE 稲田 智子氏による、

どうして建築主が第三者に相談するのか? 〜「OZONEの住まいづくり相談」を通して思うこと〜

というタイトルでお話いただきました。今までの相談の経験から、お施主様がどのようなことを考え悩んでいらっしゃるのか?我々が気をつけなければいけない事などについて事例からお話いただきました。

とても参考になる話ばかりで、特にシックハウスの相談もまだまだ存在していることは、改めて認識をしなければいけない気づきをいただくことが出来ました。

外部環境から守られるべきシェルターである住宅が安らぎを得る場所でなく病気を引き起こす箱になってしまっては絶対にいけません。

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参加者全員、今後のパッシブ換気のみならず、良い住宅づくりのために大いに参考になった勉強会でした。

勉強会の後の忘年会では、来年新しくパッシブ換気にチャレンジするメンバーの報告もあり、大いに盛り上がりました。